2023年春予定の北陸新幹線敦賀延伸まであと4年を切りました。
それに伴い大阪から金沢間を直通する特急サンダーバードのうち敦賀から金沢間の運行がなくなってしまうことはほぼ確定しております。
北陸新幹線が敦賀から先大阪までの延伸は27年も先の2046年頃とされていて、相当長い期間大阪から金沢へは乗り換えの不便が強いられます。
そこで現在判明している事実と予想を含めて大阪から敦賀間の特急がどうなるのか考えてみます。
特急サンダーバードは廃止か?
いきなり大胆予測ですが、特急サンダーバードは消滅するのではないでしょうか。
大阪から敦賀間の新幹線連絡特急自体は必要ですが、名称として残るかと言えば微妙なのです。
元々サンダーバードの由来は雷鳥です。雷鳥は国内では日本アルプスにしか生息しない特別天然記念物です。
特急サンダーバードが誕生する以前は特急雷鳥として大阪から富山・新潟間を結んでいました。
そんな歴史を持つサンダーバードが、日本アルプスとあまり関連しない大阪から敦賀間だけを走行する特急名称としてはふさわしくないと考えるのです。
しらさぎはどうなる?
予想が難しいところは特急しらさぎがどうなるのか?です。
福井から米原経由で東海道新幹線で東京方面へ行くお客さんはとても多いです。
北陸新幹線で福井から東京へ直通となりますが、米原で東海道新幹線を使い東京へ行く時間とあまり変わらないのです。
どれだけ北陸新幹線へ乗客が移転するのかが未知数です。
敦賀から米原まではしらさぎで約30分、北陸新幹線延伸後にしらさぎが残っても敦賀から米原・名古屋間の運転になるでしょうから福井ー敦賀ー米原(新幹線)と短時間の乗車で2回も乗り換えになりますからね。
乗り換えがあると車内でゆっくりと寝ることもできないし、乗換時間はかかるし大きな荷物を持っていると面倒ですよね。
しらさぎを廃止するにも別の問題があり、しらさぎがなくなってしまうと現在敦賀・米原間には新快速と言う名前の4両編成の実質各駅停車しか運転されていません。
新快速は米原から8両増結し12両編成となって大阪方面へ本来の新快速としての役割を発揮するのです。
当面はしらさぎを残し、北陸新幹線延伸後の状況次第で考えると言ったところでしょうか。
他社の新幹線開業までの過渡的な特急
過去の新幹線暫定開業の際には次の名前の特急が一時的に運転されていました。(私の記憶にあるもののみ)
東北新幹線大宮ー盛岡間開業時に上野ー大宮間で運転された「新幹線リレー号」
九州新幹線新八代ー鹿児島中央間開業時に博多ー新八代間で運転された「リレーつばめ」
交直流特急車両がほぼ不要になる
日本の鉄道は電力方式が直流区間と交流区間に分かれています。
それに合わせて車両も直流区間専用と交流区間専用と分かれています。
直流区間と交流区間をまたがって走行する電車は、交直流車両と言う両方に対応したかなり高額な車両が必要となります。
敦賀駅はまさに直流区間と交流区間の境目なのです。厳密には敦賀駅は直流で福井駅側の隣駅南今庄駅との間に直流と交流の切り替えポイント(デッドセクションと言います)があります。
北陸新幹線敦賀延伸後は、敦賀駅からの直流区間だけの特急車両でまかなえるようになり交直流車両は不要になります。
2023年北陸新幹線敦賀延伸には2015年金沢延伸時以上にJR西日本の車両運用が大きく変化する出来事になります。
JR西日本の社長は敦賀から先福井方面への特急乗り入れは無いと明言しています。この発言は特急車両の効率的な運用が考えられているものと推察します。
特急サンダーバードやしらさぎ・能登かがり火・ダイナスターが交直流車両の681系、683系で運転されています。JRでは600番台の系列に交直流車両が割り振られています。
北陸新幹線が金沢延伸の時にも683系の一部車両が289系となり近畿圏内の特急に転用されました。
その時と同じく交流機器をなくして289系などに変更されると考えられます。
JR西日本で最古参の在来線特急やくもに使われている381系の置き換えです。
681系は敦賀延伸時に製造から30年目の車両がありますので、わざわざ改造はせずにそのまま廃車も考えられます。
元々北陸本線の米原から敦賀の間は大半の区間が交流だったのですが、滋賀県や福井県などの自治体が費用負担をして2006年に直流化されたことで大阪から新快速が直通できるようになった経緯があります。
JR北梅田駅に乗り入れの可能性
北陸新幹線敦賀延伸と同じ2023年にJR北梅田駅(仮称)が開業する予定です。
JR北梅田駅には、現在の特急運転本数から考えると京都から関西空港まで運行する特急はるかが1時間に2本と新大阪から白浜・新宮方面の特急くろしおが1本が停車すると考えられます。
そこで特急はるかや特急くろしおを特急サンダーバードの後継として敦賀まで運転区間を延長することは実現しそうな話です。
現在のサンダーバードの運転本数は1時間に1本か2本です。
少なくともくろしおは元々サンダーバードだった車両が一部走行しています。
1時間あたりくろしお1本とはるか1本もしくははるか2本の敦賀延長でまかなえますね。
JR西日本は、はるか増結車両として271系を新造すると公表しましたが、あくまでも増結用であるため敦賀延長の話とは全く関係ありません。
大阪から敦賀までかかる時間は約1時間20分程度、京都から敦賀までは約50分です。
現在特急はるかは京都から関西空港間の運転ですから京都からあと50分だけ頑張って敦賀まで行ってくれるだけで問題が解決です。
すでにはるかは一部米原まで運転されていますし、足りない車両は271系車両をさらに増備するかサンダーバードの683系からの転用でしょう。
はるかの281系も最初の車両は1993年製造で早いもので敦賀延伸時に29年目を迎えますので廃車の時期が近づいています。
関西国際空港が開港した時に、はるかを見に行ったことは懐かしい思い出です。
関西空港から北陸新幹線に直結で金沢へと言えばJR西日本の広告宣伝文句としてはいい響きのフレーズなんですが、経営的には乗継割引適用で特急料金半額になってしまうと高いハードルなのかもしれません。
それともサンダーバードの乗継割引がなくなるうえ元から東海道新幹線とはるか・くろしおとの乗継割引があるから問題ないのかもしれません。
現在のサンダーバードは多客時に一部12両編成ですが、何かの資料で北梅田駅はホーム長が200mと見たので12両対応ではありません。
もし12両対応が必要な時間帯ならばその電車は現状通り大阪駅に行くのでしょう。
ちなみにサンダーバードの683系は伯備線のやくもに転用される可能性もあります。
まとめ
大阪から敦賀間の特急はサンダーバードを廃止して特急網を再編する。
しらさぎは当面敦賀から名古屋間で存続する。
と予想しました。
将来の北陸新幹線大阪延伸時に「らいちょう」の名前が北陸新幹線の種別の1つとして復活するなんてことも想像しつつ終わります。
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